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いつかみた映画
【其の百五四】



ジブリの原点?
太陽の王子 ホルスの大冒険 
1968年 日本



太陽01

 病弱な父親と、人里離れた浜辺で暮らしていたホルス。ある日、ホルスは狼の群れに襲われるが、たまたまそこで昼寝をしていた岩の巨人モーグに助けられる。そのお礼にモーグが以前から苦しんでいた肩のトゲを抜いてやるが、そのトゲは“太陽の剣”と呼ばれる剣だった。モーグから太陽の剣を譲り受けたホルスは「その剣を使いこなすことができたなら、おまえは人々から“太陽の王子”と呼ばれて尊敬されるだろう」と告げられる。やがて父親は「人間の世界に戻れ」と言い残して他界。遺言に従って相棒の小熊とともに旅立ったホルスは、モーグや謎の少女ヒルダの力を借りて、魔王グルンワルドと対決することになるのだが…。(後は映画を観て下さいね)



太陽02「まんがまつり」の原点!
 東映動画製作の日本の劇場用アニメ映画です。公開は1968年7月21日、上映時間82分 『東映まんがパレード』 (のちの『東映まんがまつり』)の一本として上映されました。製作を宮崎駿と大塚康雄のコンビが手掛け、演出は高畑勲が担当。完成までに約3年の歳月を要したという劇場用アニメーションで、宮崎駿と高畑勲が出会い、日本のアニメ映画に初めて作家性が持ち込まれた記念すべき作品だとも言えます。


たわごと03
高畑勲、宮崎駿。そして、奥山玲子!
 毎日楽しみ観させて頂いている、連続テレビ小説「なつぞら」も、主な登場人物が出揃いましたね。もちろん、なっちゃんのモデル奥山玲子さん、中川大志さん演じる、講釈垂れのイケメン・坂場一久(高畑勲)、新人なのに少し厚かましい、染谷将太さん演じる神地航也(宮崎駿)、そして宮崎氏の奥さまとなる、三村茜(大田朱美)は、元AKBの渡辺麻友さんが演じてます。もちろん、その他にもワクワクする人達がモデルとなってるので、アニメファンにはたまらなく嬉しい朝ドラとなってま〜す。と勝手に盛り上がっているワタシなのですが、実は、WOWOWさんが、なかなか粋なシゴトをしてくれました。1968年の名作長編まんが映画「太陽の王子 ホルスの大冒険」のデジタル修正版をフルオンエアー。子どもの頃には何度かテレビの再放送で観ましたが、まさか大人(かなりオッサンですが…)になって、鑑賞できるとは…!? これも「なっちゃん」効果の賜物でしょうね!


太陽03

日本アニメの原点が、そこにある!
 今から、半世紀以上前に創られたこのアニメ、いやいや長編まんが映画…。もちろん最新のアニメ技術とは程遠い作画力なのですが、そんなの関係ないです、むしろそれ以上です!動きもスピーディだし、カット割りも多彩で斬新。キャラクターも生き生きしてて、実は半世紀前に「ジブリ作品」は仕上がっていたと言っても過言ではない出来映えです。演出・高畑勲、作画監督・大塚康生、場面設計・美術設計、宮崎駿、原画:森康二、奥山玲子、宮崎駿 等々。それぁ、面白くないワケが無いですよね!蒼々たるメンバーによる、当時としては、きっと挑戦的かつ意欲的な、まんが映画だったのでしょうね。アニメは、子どものモノ(子ども目線)の姿勢はしっかりと貫いてますが、物語が凄い…。単純な勧善懲悪ではなく、その時代をしっかりと描いています。なんと言っても、悪魔の妹・少女ヒルダの心の内面(孤独と葛藤)です。この少女を子どもまんが映画に登場さすこと…、この企画にOKを出した上層部も偉いが、それを貫いた彼ら達の勇気に感服します。実は、半世紀も前から日本アニメの戦いは始まってたのですね?日本アニメのターニングポイントで、歴史的作品です。アニメファンなら必見です。



太陽04


※カッパの勝手な採点は…、
興行的には、どうだったのだろう?
8点



いつかみた映画
【其の百五三】



万国博にジャイガーが暴れ込む!
ガメラ対大魔獣ジャイガー 
1970年 日本



ガメラ00

 大阪万国博覧会にウェスター島の“悪魔の笛”と呼ばれる巨大石像が展示されることになった。祟りがあると言って強硬に反対する、島の文化使節ギボーの意見を抑えて運搬作業が行われる中、ガメラが現われた。作業を監督する考古学者ウィリアム教授の子トミーとスーザンは、友人の弘から聞かされているようにガメラは子供の味方だと主張するが、なぜかガメラは作業を妨害する。作業班は火山の噴火でガメラが火口へと向かった隙に石像を運び出すが、石像からは“悪魔の笛”の名の通り、不気味な音が鳴り響いた……。石像と共に作業班が去ったウェスター島では、地中からジャイガーが復活をとげた。無人の島でガメラとの死闘が繰り広げられる。火炎攻撃でガメラが優位に見えたその瞬間、ジャイガーの角先から鋭い矢が飛び出しガメラの手足を貫いた。矢が邪魔になり手足を引っ込められないガメラは空を飛ぶこともできない。ジャイガーは仰向けに倒れたガメラを残し、石像のあとを大阪へと向かった。 万博会場に運ばれる石像を追ってジャイガーが大阪に上陸した! (後は映画を観て下さいね)



ガメラ01

 前作『ガメラ対大悪獣ギロン』での宇宙から一転して、「日本万国博覧会」を舞台にした作品。当時少年誌各誌ではカラーグラビアで「謎の古代遺跡」を題材にしたものが流行っており、これを企画に採り入れたもので、万博を舞台にしたのは後付けだった。そのため、万博会場でのロケが行われたものの、監督の湯浅憲明によると東宝のようにパビリオン協力しているわけでもなく、大映にそこまでの営業力もなかったため、タイアップではなかったという。また昭和の「ガメラ映画」で大阪城が登場するのは『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』(1966年)に続いて2度目。ジャイガーの子供がガメラに寄生するシーンは、湯浅によると「予算は無いし、やることは大体前のガメラでやりつくしちゃったので、どうしようかと思って考えた」アイディアだったという。



ガメラ02


たわごと03
祝・2025年万博、大阪開催決定!
 なんとも、うれしいニュースが飛び込んできましたね!2025年国際博覧会(万博)が大阪市で開催されることが決定。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。い〜や、ホンマに決まりましたね、大阪万博2025。1970年…、もちろん我が郷土徳島からも行きましたよ、遠路はるばる、フェリーに乗って(当時はもちろん橋は無い…)大都会大阪で開催される夢の博覧会へ。当時会場で見た様々な「未来」は今でも鮮明に脳裏に焼き付いております。そして、今回のこの朗報を聞き脳裏に蘇ったりは、何故か、この「ガメラ対大魔獣ジャイガー」。物語は、大阪万博会場建設途中でも参事。建築中の万博予定地でガメラと大魔獣ジャイガーが、死闘を繰り返します。万博とガメラの組み合わせ(タイアップ)は、子どもながら凄いと思いましたが、どうも企業タイアップではなかったらしく、一体どのようにして、この企画が成立したのか? を知りたいですね! ストーリーも奇抜で、なんとジャイガーの毒で倒れた、ガメラの体内へ小型潜水艦で潜入し、ミニジャイガー(寄生虫?)を退治する…、あの名作『ミクロの決死圏』をモチーフにしたのかなぁとも思わせる演出…。ただ、当時の馬鹿な小僧のワタシでも、ガメラの体内は、こんなにシンプルじゃ無いだろと少々苛ついたのを思い出しました。まぁ、それはそれで良しとして、2025年の「新・大阪万博」では、どんな凄い「未来」を魅せてくれるのだろうか…、二度目の大阪万博、凄く楽しみです。



ガメラ03


※カッパの勝手な採点は…、
プレゼンを勝ち抜いた、大阪に…、
10点




2017.05.23 誘拐報道
いつかみた映画
【其の百五二】



原作・読売新聞大阪本社社会部
誘拐報道 1982年 日本



誘拐01

 豊中市の私立学園1年生の三田村英之が、下校途中に誘拐された。県警本部の発表で犯人が英之少年の父で小児科医の三田村昇に三千万円の身代金を要求していることが分かった。各新聞社に“報道協定”の要請があり子供の生命がかかっているため各社は受けざるを得なかった。三田村家には遠藤警部以下6名の警察官が入り込み、昇や妻の緋沙子と共に電話を待った。武庫川の川原に緋沙子が一人で来るようにとの電話が…。(後は映画を観てください)



誘拐04

 幼児誘拐事件を通して浮き彫りにされる、犯人とその家族、被害者の家族、警察及び報道関係者の姿を描きます。原作は読売新聞大阪本社社会部・編の同名ドキュメンタリー。脚本は「徳川一族の崩壊」の松田寛夫、監督は「犬神の悪霊」の伊藤俊也、撮影は「飛鳥へそしてまだ見ぬ子へ」の姫田真佐久がそれぞれ担当。



誘拐03


たわごと03
昭和の隠れた名作…。
 「誘拐報道」やっと、見直す事が出来ました。1982年の上映後、レンタルビデオでも、DVDでも見直す事が出来なかった隠れた名作が、嬉しい事にWOWOWでオンエアーされました。1980年に実際に起きた誘拐事件を読売新聞がまとめたルポルタージュが、原作だそうです。そして何よりもキャストが凄いです。主役の犯人が萩原健一、妻が小柳ルミ子、子どもの母親が秋吉久美子、読売新聞は丹波哲郎、三波伸介、大和田伸也、宅麻伸、その恋人に藤谷美和子、新聞社ヘリパイロットが、なんと菅原文太!これだけの本気モードの役者たちが、映画を超えた超リアルは演技を魅せてくれます。ある一つの誘拐事件を多面的視線から描きます。報道の視線、警察の視線、犯人の視線、家族の視線…、様々な視線から見た、それぞれの想いを、悲しくも力強く描きます。そして、我が青春期の1982年の劇中の風景が、悲しくも懐かしいです。



誘拐05


※カッパの勝手な採点は…、
公衆電話とポケベル、そして十円玉が愛おしい。

8点




いつかみた映画
【其の百五一】



シリーズ第46話
男はつらいよ 寅次郎の縁談 
1993年 日本



寅さん01

 来年大学を卒業し就職しなければならない満男は、不況の追い風を受けて採用試験に苦戦していた。さくらと博は苛立つ満男をハラハラしながら見守るだけ。そのうち自分自身にも嫌気がさした満男は旅に出てしまうのだった。ひさしぶりに葛飾に帰った寅は事情を聞いて満男を連れ戻すことを安請け合い。さっそく、瀬戸内海の小島・琴島へ出掛けた…。(後は映画を観てください)



寅さん02

シリーズ第46作目は、瀬戸内へ…。
 「男はつらいよ」シリーズ46作目。香川県の瀬戸内海を舞台に、おなじみの寅さんが真剣に結婚を考える。マドンナは27作目「男はつらいよ浪花の恋の寅次郎」で共演した松坂慶子。その父親役には新国劇の大御所・島田正吾、御前様の娘役には1作目のマドンナ光本幸子が配された。



寅さん03


たわごと03
寅さんが、瀬戸内にやって来た!
 お世話になってる知人がエキストラ出演している聞き久しぶりに寅さんを観させて頂きました…。あれ、ゴメン間違った?残念ながエキストラシーンを見逃した。(スミマセン) 久しぶりの寅さん節に、映画に没頭してしまったワタシ。いゃ、いゃ、やっぱり、寅さんは良い。まさに日本人のこころの映画。そしてシリーズ第46作目となるこの作品は、ワタシの大好きな瀬戸内が舞台。そして、マドンナはシリーズ二度目の出演となる、超美しき松坂慶子さんが再登場。



寅さん04

 寅さんファンには、怒られるかも知れませんが、ワタシ的には、晩年の寅さんが好き。何なんだろう、晩年の寅さんの言葉は、悲しく、胸にしみる。マドンナ松坂慶子が劇中で言う、ストーブの暖かさではなく、悴んだ手を温める母親のような暖かさ。恋とか愛とかを超越した想い。そして定番の失恋。今回は、満男とのW失恋が何とも愉快で悲しい!


※カッパの勝手な採点は…、
寅さんの言葉には、行間がある…。

七点半





いつかみた映画
【其の百五十】



鈴木清順浪漫三部作 第1弾
ツィゴイネルワイゼン
1980年 日本(ATG)



鈴木01

 ドイツ語学者、青地豊二郎と友人の中砂糺の二人が海辺の町を旅していた。二人の周囲を、老人と若い男女二人の盲目の乞食が通り過ぎる。老人と若い女は夫婦で、若い男は弟子だそうだ。青地と中砂は宿をとると、小稲という芸者を呼んだ。中砂は旅を続け、青地は湘南の家に戻る。歳月が流れ、青地のもとへ中砂の結婚の知らせが届いた。中砂家を訪れた青地は、新妻、園を見て驚かされた。彼女は、あの旅で呼んだ芸者の小稲と瓜二つなのである。その晩、青地は作曲家サラサーテが自ら演奏している1904年盤の「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを中砂に聴かされた。この盤には演奏者のサラサーテが伴奏者に喋っているのがそのまま録音されている珍品だそうだ…。(後は映画を観てください)



鈴木05

カルトな鬼才・鈴木清順の傑作
 狂気にとり憑かれた男女を幻想的に描いた作品。夢と現の交錯する物語が妖しく美しい極彩色の映像の中で展開される清順美学のひとつの到達点。鈴木清順監督を代表する傑作のひとつ。ドーム型移動映画館“シネマ・プラセット”で製作・上映されたことでも話題になりました。



鈴木02


たわごと03
鈴木清順、浪漫三部作のはじまり…。
 公開時に様々な賞を取るなど大変評価も高く、この手の映画としては珍しくヒットした作品でした。我が街、徳島でも確か鈴木清順監督を招いての上映会が開催され、もちろん当時の映画少年は、胸躍らせて観に行った記憶が…、そうあれからもう37年。日本映画の巨匠・鈴木清順も逝ってしまいました。確かにその上映会でも、既におじいちゃんでしたね。(スミマセン) そして肝心のこの映画は、非常に不思議な映画。初期の代表作「殺しの烙印」とか「けんかえれじい」等は、知りませんが、この映画を観た時は、後ろから思いっきりどつかれた感覚。よくわからないと不思議なエロさ、そしてラストの衝撃。名優原田芳雄と名匠藤田敏八の不思議な掛け合い…、映画とはなんだ、エロスとはなんだ?まだ純な映画少年年は、心悩まされた映画でした。


鈴木03


 「清順美学」と呼ばれた独特の映像作家
鈴木06

鈴木清順監督死去、93歳 「巨匠がまた消えた」
 「東京流れ者」や「けんかえれじい」、「ツィゴイネルワイゼン」などの作品で人気を集め、「清順美学」と呼ばれた独特の映像美で映画青年たちに熱狂的に支持された映画監督の鈴木清順(本名・清太郎)さんが、2017年2月13日に死去していたことが22日、明らかになった。晩年は俳優として、後輩の監督作品などに登場することもあった。NHKの元アナウンサー鈴木健二さんは実弟。1923年、東京生まれ。旧制弘前高校(現弘前大学)に進み、学徒出陣でフィリピン、台湾を転戦し、陸軍大尉で終戦を迎える。復員後、東大受験に失敗し、映画製作の世界へ。
 59年、赤木圭一郎のデビュー作「素っ裸の年齢」、63年には小林旭出演の「関東の無宿」、64年、野川由美子出演の「肉体の門」、66年には渡哲也出演の「東京流れ者」、高橋英樹出演の「けんかえれじい」など、主に青春スターを主役に、アウトロー的な雰囲気に満ちたヒット作を連発した。大半の作品に美術監督として木村威夫が関わっており、二人のセンスがモダンで新鮮な色彩感覚と、テンポのよい映像リズムを作り出し、「清順美学」と称された。
 68年、所属していた日活首脳部と対立、フィルム貸出を拒否され、解雇。これに抗議したファンや映画関係者は「鈴木清順問題共闘会議」を結成、デモを行うなど、一時は社会問題に発展した。
 77年、「悲愁物語」でカムバック。80年「ツィゴイネルワイゼン」でキネマ旬報ベストワン、日本アカデミー賞最優秀賞作品賞及び監督賞を獲得。ベルリン国際映画祭審査員特別賞を受賞するなど、国際的にも高く評価された。翌年の「陽炎座」もキネマ旬報ベストテン3位に入賞した。84年にはアニメ「ルパン三世」の劇場版「ルパン三世 バビロンの黄金伝説」も監督した。
 90年の「夢二」で、「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」と続く大正三部作が完成。2001年、10年ぶりに撮った「ピストルオペラ」はヴェネツィア国際映画祭で「偉大なる巨匠に捧げるオマージュの盾」を受賞。05年の大作「オペレッタ狸御殿」は、カンヌ国際映画祭で栄誉上映特別招待作品として招待された。(JCASTニースより)


※カッパの勝手な採点は…、
お疲れ様です…、ありがとうございました。

8点