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いつかみた映画
【其の八十四】


水銀、コバルト、カドミューム…。
ゴジラ対ヘドラ 1971年日本



ヘドラ001

 海洋学者・矢野の元へ持ち込まれた不思議なオタマジャクシ状の生物。だがヘドロの海で採れたその生物は鉱物で出来ている脅威の生命体でした。その頃、海では船舶事故が相次いでおり、TVカメラには奇怪な海坊主のような怪物の姿が捉えられていました。矢野の研究によって未知の生物は合体・増殖を繰り返す事が確認され海の怪物も同種のものと断定されました。ヘドラと名付けられたその怪物は遂に港から上陸、工場地帯でスモッグを吸収していく…。矢野の一人息子・研の呼び声に応じるかのように突如出現したゴジラはヘドラに戦いを挑む…。(後は映画を観て下さい)



ヘドラ04 当時、日本を騒がせていた公害問題を巧みに取り込んだ作品でシリーズ最大の異色作です。「水銀、コバルト、カドミューム…」と元素の名称がふんだんに取り入れられた主題歌、公害問題を不気味に訴えるアニメーションの挿入、逃げ惑う群衆などの絵が一切存在しない悪夢のようなナイトシーンのゴジラとヘドラのバトル。随所にインサートされる公害のニュース映像、サイケデリックな幻覚イメージ。怪獣映画としては世界に類を見ない作品です。成長に合わせて4段階に変化するヘドラその不気味なキャラクターはインパクトのある怪獣映画史に残る珍獣となりました。



たわごと03
この頃の日本は、汚かった…。
 お隣中国のPM2.5…。偏西風に乗っかって日本にもご迷惑な影響を及ぼしていますね。しかし、ワタシ達の子供の頃の日本も汚かった…。そうあの公害問題。ワタシ達の田舎町の川や海も決して奇麗なものではなく悪臭とヘドロで、ヌメヌメしていたのを今でも覚えています。そんな時に登場したのが、この「ゴジラ対ヘドラ」。確か小学校四年生、今までのゴジラシリーズとは全く違うテイストで、闘う怪獣もヘドロの固まり…。そして当時流行のサイケデリックの世界観。なんとも不思議なお姉さんが、奇抜な衣装で「水銀、コバルト、カドミューム」等と唄っていました。こんなのはゴジラじゃない…と思いながらも衝撃的な作品だったと大人になってから考えさせられたゴジラシリーズの珍作です。

ヘドラ05


ちょつと01
田子の浦 ヘドロ事件。
 明治23年、本州製紙(旧富士製紙〜王子製紙)が、静岡県鷹岡村に進出、廃水を放流した時から連綿とつづいていた。昭和45年当時富士地区には大小約150の製紙会社がありこの廃水の中に含まれるスラッジが海底に堆積し歳月を経てヘドロと化しました。またヘドロにはカドミウム、鉛、水銀が含まれ、発酵分解した硫化水素ガスでの中毒や、魚介類による食中毒事件も発生したそうです。このヘドロ事件は昭和45年11月に静岡地裁に提訴、法廷での論争となりこの住民による公害訴訟も一審では全面却下されたものの東京高裁では逆転勝訴となりました。地方自治法をもとに起こされた公害訴訟で部分的にせよ住民側が勝訴したのは全国で初めだったそうです。

汚い日本へ、ゴジラから怒りのメッセージ。



※肝心の映画は…、
同時上映は「帰ってきたウルトラマン」でした。
カッパ採点7点





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