2013.04.29
プライベート・ライアン

Selection vol.126
ノルマンディ大激戦の陰にたった一人の新兵を救出する作戦があった…
プライベート・ライアン 1998年アメリカ

1944年6月。連合軍によるフランス・ノルマンディ上陸作戦は成功に終わったものの、激戦に次ぐ激戦は多くの死傷者を出していた。そんな中、オマハビーチでの熾烈な攻防を生き延びたジョン・ミラー大尉に新たな命令が下された。ひとりの落下傘兵を戦場から救出せよ。その兵士、ジェームズ・ライアン二等兵には3人の兄がいるが、この一週間の間に全員が死亡。兄弟全てを戦死させる訳には行かないという軍上層部はひとり残されたライアンをなんとしてでも故国へ帰還させようと考えたのだ。ミラーは中隊から7人の兵士を選び出し、生死も定かでないライアン二等兵を探すために戦場へと出発するのでした…。
(後は映画を観て下さい)

スピルバーグ監督としては「太陽の帝国」「シンドラーのリスト」に続く第二次大戦モノです。それまでの作品が戦争を背景としたドラマであったのに比べ、今回は正面から戦争を描く事がテーマとなっています。戦争という名の巨大なイベントの中で一兵士が遭遇する現実とはどんなものだったのだろうか?

映画中の地獄図。
上陸艇のゲートが開かれた途端、機銃の掃射によって崩れる体。海に没した者には海中までにも銃弾が襲いかかり、内蔵をぶちまけて母親の名を呼ぶ若者、吹き飛んだ自分の片腕を求めて幽鬼のごとくさまよう兵士。雨霰と降り注ぐ銃弾の中、生死を分けるものがほんのわずかの運命。前半の約15分で、戦争という地獄を思い知らされます。

スピルバーグ監督のストレートなメッセージ。
例えば同じくノルマンディ上陸に材を取った「史上最大の作戦」や、その他往年の戦争映画によくあるスポーツ感覚の戦闘は存在しません。戦死とは銃で撃たれたら倒れる事、戦場で死ぬ事がどれほど唐突で日常的かという事なのか、人間の肉体がいかに簡単に破壊されるものなのか、スピルバーグ監督がリアルに描きます。そして従軍カメラマン視点以外の何物でもないカミンスキーのハンディカメラによる撮影と、銃声に包まれる音響効果による臨場感。その後のライアン二等兵を探し求める苦悩の市街戦…。まさに反戦映画の傑作です!!


史上最大の作戦、ノルマンディー上陸作戦…。
ノルマンディー上陸作戦第二次世界大戦中の1944年6月6日に連合軍によって行われたナチス・ドイツ占領下の西ヨーロッパへの侵攻作戦。正式名称は「オーバーロード作戦(大君主の意)」だそうです。最終的に300万人近い兵員がドーバー海峡を渡ってフランスコタンタン半島のノルマンディーに上陸しました。本作戦は夜間の落下傘部隊の降下から始まり、続いて上陸予定地への空襲と艦砲射撃、早朝からの上陸用舟艇による敵前上陸が行われた。上陸作戦に続くノルマンディー地方の制圧にはドイツ軍の必死の抵抗により2ヵ月以上要したそうです…。このノルマンディー上陸作戦は今日まで第二次世界大戦中の最もよく知られる戦いの一つとして数えられています。
※肝心の映画は…

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つかりこ
やっと観ました!
私は、とんでもなくすごい映画を見逃していました。
ありがとうございました!
おっしゃる通りですね。
生と死がほんのちょっとの運命の差で分かれる。
いつ誰が死んでも不思議でない、戦場というのは
こういうところなのだということを教えられますね。
すごいリアリティです!
203高地作戦やノルマンディのような「突撃作戦」って、
すごくバカなやり方ですよねー。
私は、とんでもなくすごい映画を見逃していました。
ありがとうございました!
おっしゃる通りですね。
生と死がほんのちょっとの運命の差で分かれる。
いつ誰が死んでも不思議でない、戦場というのは
こういうところなのだということを教えられますね。
すごいリアリティです!
203高地作戦やノルマンディのような「突撃作戦」って、
すごくバカなやり方ですよねー。
2013/08/06 Tue 20:32 URL [ Edit ]
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