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2013.04.07 転校生
いつかみた映画
【其の三十三】

記念すべき「尾道三部作」の第1弾。
転校生 1982年日本

転校生01

 明るくクラスの人気者である斉藤一夫。彼のクラスに、ある日転校生がやってきます。その転校生とは、実は幼いころ近所に住んでいた、幼馴染の斉藤一美でした。一夫と一美は、学校の帰り道、ちょっとした弾みで一緒に石段を転げ落ちてしまう。それによって、2人の身体と心は入れ替わってしまって…。(後は映画を観て下さい)

転校生02

 山中恒のジュブナイル「おれがあいつであいつがおれで」の映像化作品です。大林宣彦監督の故郷でもある尾道を舞台に、シチュエーションコメディの要素を含みつつノスタルジックな青春ドラマに仕上げています。本作の後、大林宣彦は『時をかける少女』『さびしんぼう』を監督、同じ尾道を舞台にしたことから通称“尾道三部作”の第1弾と称されています。


たわごと03
語りきれない想いが…
 ワタシの大好きな大林映画「尾道三部作」の第1作目。この映画は、もちろんオール尾道ロケ。今みたいにFC(フィルムコミッション)も確立されて無く、ひとつの町で映画を創ることは、非常に困難でした。特にこの映画は、製作予算も乏しく、尾道の人たちの協力無くては創れなかった映画です。きれい事だけの町おこしでやその場しのぎのボランティァで活動では完成できなかった映画です。当時の尾道は、今みたいに「観光地尾道」ではなく、広島県の外れなある小さな港町でした。しかし、当時の若者を中心に自分たちの町を映画を誰かに見てもらいたい…。一途なキモチで大林監督たちと一緒に製作しました。

天満宮
ふたりが入れ替わった天満宮(撮影:カッパ)

いつか見た尾道。
 大林監督と町の人たちとで創った「転校生」…。しかし、最初の地元試写会では、大人たちは愕然としたそうです。観光地で売られている絵葉書のように美しい尾道の風景が随所に描かれていると思ったら、その辺の日常の景色。彼らが日常生活している辛い坂道や台所から晩ご飯の匂いが漂う近所路の地裏。そして、映画の内容は男と女が入れ替わる…、何となく卑猥。

転校生03

しかし、子供達は感動した。
 そんな批判する大人達の中、青年と子供達が絶賛の拍手を贈りました。自分たちの暮らしで、迷惑だった坂道や狭い路地が、こんなにも美しく尊いもの…。憎んでもいた故郷に恩返しができた。そして、この映画を一人でも多くの方に観てもらいたい。その想いが広がり、大きな絆を築いていきました。そして、その後の尾道シリーズへと繋がっていきます。

尾道
キラキラ光る逆光の海が美しい(撮影:カッパ)

ちょつと01
大林映画の聖地、TOM。
 元々、TOMは尾道でジャズを広めた最初のジャズ喫茶の店でした。現在、尾道に有るジャズ喫茶はTOMの後から続々登場しました、当時のTOMの常連の方々は、ハイソサエティーな男女の社交場でしたが、映画と関わり有ってから尾道映画好きの方はTOMに必ず寄らなければモグリとまで全国に伝説として今でも語られている大林映画の聖地となりました。もちろんワタシも当時は、必ずTOMに立ち寄りました。尾道へ行くではなく、むしろTOMに飲みにいく事(当時クルマで4時間)が楽しみでした。たくさんの仲間とも出会えましたし、マスターとも仲良くさせて頂き、ますます尾道が大好きになり、今ではワタシの「心のふるさと」でもあります。

この映画で、この町に出会えた事に感謝します。



※とっても幸福なえこひいきです。
10点





 
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