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カッパのみなソン
Selection vol.1208



また見つかった。何がだ?永遠。
海辺の映画館 キネマの玉手箱 
2020年日本



キネマ00

 尾道の海辺にある唯一の映画館“瀬戸内キネマ”が、閉館を迎え、嵐の中、最終日のプログラムとして“日本の戦争映画大特集”のオールナイト上映が始まる。すると、映画を観ていた3人の若者、毬男、鳳介、茂が突然スクリーンの世界にタイムリープしてしまう。乱世の幕末や戊辰戦争、日中戦争などを体験しながら、上映中の戦争映画の中を旅していることに気づく3人。やがて原爆投下前の広島に迷い込み、そこで看板女優の園井惠子率いる移動劇団“桜隊”と出会う3人だったが…。(後は映画を観て下さい。)



キネマ01

 2020年4月に惜しくもこの世を去った大林宣彦監督の遺作となったファンタジードラマです。20年ぶりとなる故郷・尾道を舞台に、戦争映画のオールナイト上映をしていた海辺の映画館で、突然スクリーンの世界にタイムリープしてしまった3人の若者が、それぞれの時代を生きる人々との交流を重ねながら戦争の歴史を追体験していくさまをエネルギッシュかつ自由奔放な筆致で描き出します。主演は、厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、それぞれの運命のヒロインに吉田玲、成海璃子、山崎紘菜。また常盤貴子ら大林組ゆかりの俳優陣はじめ多彩な豪華キャストが脇を固めています。



キネマ02


たわごと03
大林宣彦からの挑戦状。
 我がブログの根っ子とも言える大林映画。我が愛しの大林監督の遺作であり集大成とも言えるこの「海辺の映画館 キネマの玉手箱」。我が街、徳島でも有難いことに上映される事と…、ただ一日2回の上映で、上映時間は朝と夜のみ…。まぁ約3時間の大作なので仕方ないかぁと。そんでもって朝イチ(8時半から)鑑賞。観てきました、大林監督の最強の映画哲学(フィロソフィー)。もちろん、ワタシなりの決意と覚悟はしてました…、間違いなくこの映画は遺作でありながら、超私的な大林監督の想いと映画的メッセージの塊。想像通り、期待以上、監督の脳内おもちゃ箱をひっくり返した原色の映画でした。そうまさに抽象画、監督云く「映画ゲルニカ」。(正直朝イチ鑑賞は、キツかった…)



キネマ04

 話は変わりますが、上映の何日か前に知人の女性から、吾郎ちゃん(元SMAP)が出てる「海辺の映画館」観に行きたいのだけど…、面白い?って問われたので、即答で「やめた方がいい」と答えてしまいました。そう、この映画は、キャストや話題性だけでは鑑賞は要注意。大林映画のプロでもかなの覚悟と決意が必要な強者なのです。映画を観るというより、いきなり大林ワールドに引き込まれ、鑑賞じゃなく、体感させられる。大林ワールド最期にして最強の2時間59分のデスマッチなのです。



キネマ05


映画は戦争をとめられるか?
 この映画のテーマはもちろん反戦です。大林映画末期のいわゆる戦争三部作「この空の花〜」「野のなななのか」「花筐」の集大成がこの作品。ただそれと同様に、この映画は大林監督の人生…、いや命の集大成とも言える作品。そしてこの作品を完成させて逝ってしまった監督。残念ですが、本当に幸せですよね。監督はよく「映画とは、フィロソフィー」と言われますが、きっとそれは、「自分自身の心」なのですよね…?。そして自らが「自分の心」をそのまま映画にしたのが、この最期の私的大林映画なのですから。本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。



キネマ03


※カッパの勝手な採点は…、
映画は、未来を変えられる!

8点半


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2020.09.11 屍人荘の殺人
カッパのみなソン
Selection vol.1207



浮かび上がる15人の容疑者たち。
屍人荘の殺人 
2019年日本



屍人01

 神紅大学のミステリー愛好会のメンバーは自称ホームズの会長・明智と、ミステリー小説オタクだけど推理が当たったことがない万年助手・葉村の2人だけ。2人はある日、同じ大学に通う美少女探偵・剣崎比留子から、事件の臭いがする興味深い話を聞かされる。それは、昨年参加した女子部員の一人が行方不明になったというロックフェス研究会の合宿。こうして3人は合宿が行われる山奥のペンション“紫湛荘”へとやって来る。ところが合宿初日、いきなり葉村たちは想像を絶する異常事態に巻き込まれ、籠城を余儀なくされてしまうのだったが…。(後は映画を観て下さい。)



屍人02

 国内のミステリーランキングを総なめにして話題となった今村昌弘の同名ベストセラーを神木隆之介、浜辺美波、中村倫也の共演で映画化したミステリーコメディです。大学のミステリー愛好会の2人の学生が、美人女子大生探偵に誘われ、ロックフェス研究会による曰くつきの合宿に参加し、想像を絶する恐怖と謎に立ち向かうさまをコミカルな筆致で描きます。監督は「任侠学園」の木村ひさし。



屍人03


たわごと03
密室トリック × ゾンビ
 話題となった今村昌弘氏の同名ベストセラーの完全映画化。原作は未読だけども密室トリックの上質謎解きモノかと思って観たら、ゾンビ映画だった。まぁ、タイトルが「屍人荘〜」なのでそれぁ、そうなんだと納得。浜辺美波ちゃんは、相変わらず可愛いし、神木隆之介君も貫禄の演技で、上手に笑わせてくれました。ただ、人気者の中村倫也さん、重要なキャラなのですが、まさかのちょい役?? これってファンの方は、ガッカリではないのでしょうかね?と余計な心配をしてしまうワタシ…。そんな心配も束の間、物語は結末へと、想定外の謎解きで自称「密室トリック」ファンのワタシなのですが、それなりの満足度でフニッシュ…、なのですが「ゾンビ」については???なんです。是非ともそのモヤモヤをご体感くださいね。



屍人04



※カッパの勝手な採点は…、
それはそれで、結構楽しめますよ!

六半



2020.09.04
カッパのみなソン
Selection vol.1206



めぐり逢う、ふたつの物語。
 2020年日本



糸01

 平成元年生まれの高橋漣と園田葵は、13歳の時に運命の出会いを果たす。互いに愛し合い、駆け落ちまで決行する2人だったが、すぐに大人たちによって引き離され、そのまま離ればなれに。8年後、友人の結婚式で再会した漣と葵だったが、既に別々の人生を歩み始めていることを確認しただけで終わる。もう決して交わることはないと思われた2人だったが…。(後は映画を観て下さい。)



糸02

 中島みゆきの名曲『糸』をモチーフに、運命に引き離された男女が、それぞれに平成の時代を生き、やがて再びめぐり逢うまでの長い道のりを菅田将暉と小松菜奈の主演で映画化した感動ラブストーリーです。共演に斎藤工、榮倉奈々。監督は「8年越しの花嫁奇跡の実話」の瀬々敬久。



糸05


たわごと03
めぐる時代にファイト!
 平成元年に生まれた男女…の18年間を平成史とともに描いていく壮大なラブストーリーです。タイトルは、ズバリそのまんま『糸』。今や誰もが知る中島みゆきさんの名曲ですよね。ただワタシ的には『糸』と言うより『時代』を連想し…、劇中で二度もカラオケで歌われる『ファイト!』で泣きました。激動の昭和ではなく、混迷の平成を生きる若者たちの単なるラブストーリーではなく、時代を織りなす運命の恋をリアルに描いてます。そして主演の菅田さんと小松さんは、もちろん、共演者たちが中々渋い、斎藤工、榮倉奈々、山本美月、高杉真宙・馬場ふみか、倍賞美津子、永島敏行、竹原ピストル・二階堂ふみ(友情出演)、松重豊、田中美佐子、山口紗弥加、成田凌、等々かなり個性的な方々が当たり前のようにそれぞれの人生を織りなしている。そして驚いたのが、最後の街頭無インタビューのシーンでは、本当にチョイ役で、あの傑作『岬の兄弟』の主演女優、和田光沙が一般市民の役で出演。一見王道とも感じさせるこの映画に、これだけの個性派俳優をキャスティングできる瀬々敬久監督の力量を改めて思い知らされました。



糸03


カツ丼には、涙がよく似合う?
 個性派たちが共演と書きましたが、もちろん主役のお二人もかなりの個性派。菅田将暉さん関しては、別格の存在感と安定感でしっかりと彼らしさを表現してくれてます。そしてなんとも注目は、ワタシの一押しの小松菜奈さん。もちろん日本映画を代表する若手女優さんの一人なのですが、この作品で彼女の評価はワンランク上がったと言っても過言ではないと思います。特にお勧めのシーンは、いろんな事があって思い悩んだ彼女が、シンガポールの小汚い日本料理屋台で、「不味い」と呟き、カツ丼を泣きながら頰張るシーン。このシーンだけで「観に来て良かった」と思わずもらい泣きしちゃいました。そして成田凌さんの歌う、と言うか吠える『ファイト!』も最高です。



糸04



※カッパの勝手な採点は…、
次の日、『かつや』でカツ丼食べました?
8点