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2020.02.24 惡の華
カッパのみなソン
Selection vol.1190



僕は変態なんかじゃ…ない。
惡の華 2019年日本



悪の華01

 周りを山に囲まれ閉塞感漂う地方都市に暮らす中学2年の春日高男。ボードレールの詩集『惡の華』を愛読し、誰とも理解し合えない孤独な毎日を送っていた。そんなある日、ふとした出来心から、憧れのクラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を盗んでしまう。しかしその現場をクラスの問題児・仲村佐和に見られてしまう。そして秘密にする代わりに、彼女の命令に従うよう強要され、その変態的な要求に次第に精神的に追い詰められていく春日だったが…。(後は映画を観て下さいね)



悪の華02

 思春期特有の心の闇をセンセーショナルながらもリアルな痛みとともに鮮烈に描き大ヒットした押見修造の傑作コミックスを「片腕マシンガール」「電人ザボーガー」の井口昇監督が実写映画化した青春暗黒エンタテインメントです。鬱屈した感情を抱え悶々とした日々を送る少年が、出来心で犯した変態行為を、心に深い闇を抱えた女子に見とがめられ、さらなる変態行為を強要されていく危険な共犯関係の中で、図らずも奇妙な絆が芽生えていく暴走の行方を描く。主演は「今日から俺は!!」の伊藤健太郎と「チワワちゃん」の玉城ティナ。共演に秋田汐梨、飯豊まりえ。



悪の華03


たわごと03
激しすぎる、青春の憤り…。
 結構ハマった、テレビドラマ「今日から俺は!!」の伊藤健太郎くんが主演というだけで、観たこの作品…。まぁ、最近よくある漫画原作の青春キラキラ映画と思いや、えっ、これ、凄いですよね?? (中学2年生で何故かボードレール「惡の華」を愛する一風真面目な春日高男。彼がが憧れる、クラスのマドンナ佐伯奈々子、そしてクラスで孤立している仲村佐和。ある日の午後、春日が佐伯さんの体操着を盗んだことから…)は始まりに過ぎず、激しすぎる青春ドラマ?が繰り広げられる。「クソムシ」「変態」「クズ」などの罵声が飛び交い、表現も超過激で際どい…、お子様、ご家族鑑賞は、きっとNGの方が無難。ただ、ワタシ的には決してキライでは無く、むしろ共感できなくもない。映画としても作者の想い…、と言うか憤りがビシビシと伝わってくる。なんなんだろうこの感覚、そうかつての「ATG」作品を彷彿する空気感がなんとも刺激的。決して褒められる彼や彼女たちではないのですが、あの思春期の頃の、何となくムズムズする苛立ちは、誰もが心の中に抱え立てた「惡の華」なのかも知れませんね?



悪の華04


※カッパの勝手な採点は…、
何故か、記憶に残る一本です。
七点半



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カッパのみなソン
Selection vol.1189



タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 
2019年アメリカ



ハリウッド01

 落ち目のTV俳優リック・ダルトンは、なかなか復活の道が拓けず焦りと不安を募らせる。情緒不安定ぎみな彼を慰めるのは、リックのスタントマンとして公私にわたって長年支えてきた相棒のクリフ・ブース。固い絆でショウビジネスの世界を生き抜いてきた2人だったが、このままでは高級住宅地にあるリックの豪邸も手放さなければならなくなる。そんな彼の家の隣には、時代の寵児となった映画監督のロマン・ポランスキーとその妻で新進女優のシャロン・テートが越してきて、彼らとの勢いの違いを痛感するリック。一方クリフはヒッチハイクをしていたヒッピーの少女を拾い、彼女をヒッピーのコミューンとなっていた牧場まで送り届けてあげるのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ハリウッド02

 「パルプ・フィクション」「イングロリアス・バスターズ」のクエンティン・タランティーノ監督が、1969年のハリウッドを舞台に、古き良き60年代アメリカへの愛を描いたノスタルジックエンタテインメントです。有名な“シャロン・テート殺人事件”を背景に、復活を期す落ち目のTV俳優と、長年彼のスタントマンを務めてきた男の友情の行方を、虚実を織り交ぜつつ郷愁あふれる筆致で描き出します。主演はこれが初共演となるレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット。ヒロインのシャロン・テート役にマーゴット・ロビー。



ハリウッド03


たわごと03
むかしむかし、ハリウッドに…!?
 今も時めく二大スター、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット…、意外にもこれが初共演なんですね。それも映画の申し子クエンティン・タランティーノ監督の超意欲作で共演とは、なんともステキです。そして二人とも、それぁ、もちろん快心の演技。ご存じの通り、ブラッド・ピットは、第92回アカデミー賞助演男優賞を受賞。ただ、主演のディカプリオだって主演男優賞を貰っても可笑しくない程の熱演、ワタシ的には彼の主演作の中で今までで一番好きです。
 リック・ダルトン(ディカプリオ)は落ち目のTV俳優。イタリアのマカロニウエスタンに出稼ぎに行こうか迷っている…、落ち目とは言え、リックは豪邸で贅沢三昧。一方リックのスタントマンのクリフ(ブラッド・ピット)は、リックの精神的親友ではあるが、トレーラー暮らし…。この格差が物語のキーワードかなぁ?もちろん人気絶頂のスター・シャロン・テートを妻に持つロマン・ポランスキー監督もヒッピーの教祖でカルト教団の教祖チャールズ・マンソンも見事に絡んできます。そしてラストはタランティーノらしく、バイオレンスとサプライズ…。いろんなエピソードがてんこ盛の161分にもおよぶ超大作です、気合いを入れてご鑑賞くださいね!



ハリウッド04


※カッパの勝手な採点は…、
実は初期編集版は、4時間20分だった??
8点



2020.02.05 ジョーカー
カッパのみなソン
Selection vol.1188



本当の悪は笑顔の中にある
ジョーカー  2019年アメリカ



ジョーカー01

 大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ジョーカー02

 いわゆるアメコミが原作の作品としては史上初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の快挙を果たした衝撃のサスペンス・ドラマ。DCコミックスのバットマンに登場する最強最悪の悪役“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男アーサー・フレックが、いかにして社会から切り捨てられ、狂気の怪物へと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出します。主演は本作の演技が各方面から絶賛された「ザ・マスター」「her世界でひとつの彼女」のホアキン・フェニックス。共演にロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ。監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。



ジョーカー03


たわごと03
祝!キネ旬外国映画ベスト・テン第1位
 「ジャスティスリーグ」や「スーサイドスクワッド」などで、マーベルに負けじと“ユニバース”化を展開してきたワーナー…。だけども、何故か、そこから逸脱したと思いや、あれまぁ〜、とんでもない傑作が生まれちゃいましたね。ジャック・ニコルソン演じるジョーカーとバットマンの死闘を胸ときめかせて観たのが平成元年。そうあれから30年。悪のカリスマ「ジョーカー」の本質を知る事となりました。主演は、超個性派のホアキン・フェニックス。そして脇にはロバート・デ・ニーロ…、それぁ、もうこれを想像するしかないでしょ。名作「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」。そんな名作と重なり合うも、それでいて独創的かつ刺激的なのです。
 ホアキン演じるの「ジョーカー」は社会の片隅でひっそりとぼろアパートで老いた母と暮らす冴えない中年。特殊能力どころか、金も地位も無し、仕事はピエロの扮装をした大道芸人。そして皮肉にも笑い出したら止まらない持病を患っている…。そんな彼が、あの出来事を境に悪の道へと開花していきます。悪と正義…、ってなんなんだ?? もしバットマンが正義なら、彼はもちろん悪。ただ、視線を変えることで、悪と正義の定義が不確かなものとなってしまう。絶対正義も絶対悪もこの世には存在しない。そんな不確かな善悪をこの映画は見事に表現しています。



ジョーカー04

 24キロも減量したホアキン・フェニックスが階段を軽々とステップを踏みながら踊るシーンも素晴らしい、そして懐かしい60年代のBGMも心地良い…、ただ物語は悲しい、悲しすぎます。DCコミックス映画で史上初めてベネチア国際映画祭・金獅子賞受賞という快挙を成し遂げ、我が愛読書の「キネマ旬報」でも、見事「外国映画ベスト・テン第1位」に輝いた秀作です。是非ともご覧下さい!



ジョーカー05


※カッパの勝手な採点は…、
日本のダークヒーロー達に、喝だッ!

8点半