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逍遥
カッパのそぞろ歩きです。〈第三十五話〉


踊る阿呆に見る阿呆…
映画 「眉山 -びざん-」が、泣いている…。
2018年 お盆



眉山01

 東京で旅行代理店に勤める咲子は、徳島で一人暮らしをしている母・龍子が入院したとの報せを受け、久しぶりに帰郷します。咲子はそこで母が末期ガンであることを知ります…。元々江戸っ子の龍子は入院してもなお、何でも自分で決めてしまう、そんな母に寂しさを感じながら看病を続けていた咲子は、医師の寺澤と出会い、少しずつ心を癒されていきます。そんな中、母からは死んだと聞かされていた父が今も生きていることを…(後は映画を観て下さい)



眉山02

 さだまさしの同名小説を「のぼうの城」「メゾン・ド・ヒミコ」の犬童一心監督が映画化した感動のヒューマンドラマです。ガンに冒されながらも気丈に振る舞う母と、そんな母の秘められた過去の恋を辿ってゆく娘の強い絆を描きます。出演は「犬神家の一族」の松嶋菜々子と「子ぎつねヘレン」の大沢たかお、そして10年ぶりの映画出演となる宮本信子。


たをごと02
ラストシーンは、徳島県民の誇り。
 ワタシ的には、この映画のラストシーンが大好きです。松嶋菜々子の目線の演技。犬童監督らしい繊細な演出です。そして、この勇壮な踊りのシーン。このカットのために徳島市内にある南内町の新町川交通公園内に桟敷(演舞場)を設置し、阿波おどりの有名連と県民が全面協力しました。幾度もの総踊りと念密な打ち合わせ…。最高に幸福で有意義な時間を映画製作者と出演者、そしてエキストラの徳島人が共有する事が出来た夢のようなひと夏でした…。



眉山01


その県民の誇りが…
 上記は、2015年にワタシが記載した映画「眉山」の「映画的日記」です。さだまさしさん原作を犬童監督が、オール徳島ロケを決行し心を込めて創ってくれた至極の逸品です。そしてその映画のラストで使われているシーンが、いま話題の「総踊り」です。そもそも「総踊り」とは、阿波踊り振興協会が、踊り期間の最終日に南内町の演舞場(有料桟敷)のフィナーレを飾る、阿波おどりの〆の様なモノで、観客に見せると言うより、がんばった自分達にエールを贈る踊りなのです。がぁ…、踊り子数千人、鳴り物数百人という圧倒的な迫力で繰り広げられる総踊りは、踊り子だけでなく、県内外の観客をも魅了します。見せるショー的な踊りではなく、彼ら彼女たちの、それぞれの想いが感じられる徳島市の阿波おどりの象徴、まさに「踊る阿呆に、見る阿呆」なのです。そう「総踊り」は、もはや徳島の文化なのです。その総踊りを今年は、実行委員会がなんと中止する…?南内町の演舞場の総踊りを中止し、利益確保の手段として、各演舞場で同じような「フィナーレショー」を行うとの決定。それぁ、今まで一所懸命やって来た振興協会は怒りますよね…、そして、彼らが出した答は、演舞場(有料桟敷)以外での総踊りの強行。良い悪いは別にして、異常に盛り上がりました。観衆、そして県外の報道陣…、皮肉なことに、全国放送で、この「阿波おどり騒動」が、かなりのボリュームで報道される事となりました。別の意味で話題となった今年の阿波おどり…。ただ、徳島県民の1人としては複雑です。そもそもこの問題、いや争いは根が深く、総踊りをやるか、やらないか、だけではなく、徳島の過去の「しがらみ」が生み出した根深い醜態。誰が悪いとか、誰の責任とかではなく、阿波おどりを愛する人達が一所懸命築いてきた「徳島市の阿波おどり」。今一度、ワタシも含め、この映画「眉山 -びざん-」を観て、阿波おどりの「原点」に還りましょう!



眉山03


※カッパの勝手な採点は…、
映画のチカラを信じたい!
10点

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