FC2ブログ
カッパのみなソン
Selection vol.1189



タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 
2019年アメリカ



ハリウッド01

 落ち目のTV俳優リック・ダルトンは、なかなか復活の道が拓けず焦りと不安を募らせる。情緒不安定ぎみな彼を慰めるのは、リックのスタントマンとして公私にわたって長年支えてきた相棒のクリフ・ブース。固い絆でショウビジネスの世界を生き抜いてきた2人だったが、このままでは高級住宅地にあるリックの豪邸も手放さなければならなくなる。そんな彼の家の隣には、時代の寵児となった映画監督のロマン・ポランスキーとその妻で新進女優のシャロン・テートが越してきて、彼らとの勢いの違いを痛感するリック。一方クリフはヒッチハイクをしていたヒッピーの少女を拾い、彼女をヒッピーのコミューンとなっていた牧場まで送り届けてあげるのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ハリウッド02

 「パルプ・フィクション」「イングロリアス・バスターズ」のクエンティン・タランティーノ監督が、1969年のハリウッドを舞台に、古き良き60年代アメリカへの愛を描いたノスタルジックエンタテインメントです。有名な“シャロン・テート殺人事件”を背景に、復活を期す落ち目のTV俳優と、長年彼のスタントマンを務めてきた男の友情の行方を、虚実を織り交ぜつつ郷愁あふれる筆致で描き出します。主演はこれが初共演となるレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット。ヒロインのシャロン・テート役にマーゴット・ロビー。



ハリウッド03


たわごと03
むかしむかし、ハリウッドに…!?
 今も時めく二大スター、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット…、意外にもこれが初共演なんですね。それも映画の申し子クエンティン・タランティーノ監督の超意欲作で共演とは、なんともステキです。そして二人とも、それぁ、もちろん快心の演技。ご存じの通り、ブラッド・ピットは、第92回アカデミー賞助演男優賞を受賞。ただ、主演のディカプリオだって主演男優賞を貰っても可笑しくない程の熱演、ワタシ的には彼の主演作の中で今までで一番好きです。
 リック・ダルトン(ディカプリオ)は落ち目のTV俳優。イタリアのマカロニウエスタンに出稼ぎに行こうか迷っている…、落ち目とは言え、リックは豪邸で贅沢三昧。一方リックのスタントマンのクリフ(ブラッド・ピット)は、リックの精神的親友ではあるが、トレーラー暮らし…。この格差が物語のキーワードかなぁ?もちろん人気絶頂のスター・シャロン・テートを妻に持つロマン・ポランスキー監督もヒッピーの教祖でカルト教団の教祖チャールズ・マンソンも見事に絡んできます。そしてラストはタランティーノらしく、バイオレンスとサプライズ…。いろんなエピソードがてんこ盛の161分にもおよぶ超大作です、気合いを入れてご鑑賞くださいね!



ハリウッド04


※カッパの勝手な採点は…、
実は初期編集版は、4時間20分だった??
8点



スポンサーサイト



2020.02.05 ジョーカー
カッパのみなソン
Selection vol.1188



本当の悪は笑顔の中にある
ジョーカー  2019年アメリカ



ジョーカー01

 大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ジョーカー02

 いわゆるアメコミが原作の作品としては史上初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の快挙を果たした衝撃のサスペンス・ドラマ。DCコミックスのバットマンに登場する最強最悪の悪役“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男アーサー・フレックが、いかにして社会から切り捨てられ、狂気の怪物へと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出します。主演は本作の演技が各方面から絶賛された「ザ・マスター」「her世界でひとつの彼女」のホアキン・フェニックス。共演にロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ。監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。



ジョーカー03


たわごと03
祝!キネ旬外国映画ベスト・テン第1位
 「ジャスティスリーグ」や「スーサイドスクワッド」などで、マーベルに負けじと“ユニバース”化を展開してきたワーナー…。だけども、何故か、そこから逸脱したと思いや、あれまぁ〜、とんでもない傑作が生まれちゃいましたね。ジャック・ニコルソン演じるジョーカーとバットマンの死闘を胸ときめかせて観たのが平成元年。そうあれから30年。悪のカリスマ「ジョーカー」の本質を知る事となりました。主演は、超個性派のホアキン・フェニックス。そして脇にはロバート・デ・ニーロ…、それぁ、もうこれを想像するしかないでしょ。名作「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」。そんな名作と重なり合うも、それでいて独創的かつ刺激的なのです。
 ホアキン演じるの「ジョーカー」は社会の片隅でひっそりとぼろアパートで老いた母と暮らす冴えない中年。特殊能力どころか、金も地位も無し、仕事はピエロの扮装をした大道芸人。そして皮肉にも笑い出したら止まらない持病を患っている…。そんな彼が、あの出来事を境に悪の道へと開花していきます。悪と正義…、ってなんなんだ?? もしバットマンが正義なら、彼はもちろん悪。ただ、視線を変えることで、悪と正義の定義が不確かなものとなってしまう。絶対正義も絶対悪もこの世には存在しない。そんな不確かな善悪をこの映画は見事に表現しています。



ジョーカー04

 24キロも減量したホアキン・フェニックスが階段を軽々とステップを踏みながら踊るシーンも素晴らしい、そして懐かしい60年代のBGMも心地良い…、ただ物語は悲しい、悲しすぎます。DCコミックス映画で史上初めてベネチア国際映画祭・金獅子賞受賞という快挙を成し遂げ、我が愛読書の「キネマ旬報」でも、見事「外国映画ベスト・テン第1位」に輝いた秀作です。是非ともご覧下さい!



ジョーカー05


※カッパの勝手な採点は…、
日本のダークヒーロー達に、喝だッ!

8点半



カッパのみなソン
Selection vol.1187



これは、数学で戦争を止めようとした男の物語。
アルキメデスの大戦 2019年日本



アルキメデス01

 1933年。欧米との対立を深め、軍拡路線を進める日本では、海軍省が秘密裏に世界最大の戦艦の建造を計画していた。その一方で、海軍少将・山本五十六をはじめとする“今後の海戦は航空機が主流になる”と主張する“航空主兵主義”派も存在し、“大艦巨砲主義”の推進派と激しく対立していた。そこで、山本は独自に建造費を見積もり、計画の欺瞞を指摘して建造を阻止しようと目論む。そのために彼が目を付けたのが、100年に一人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直。しかしこの男、筋金入りの軍隊嫌いで、おまけに超のつく変わり者だったのだが…。(後は映画を観て下さいね)



アルキメデス02

 三田紀房の同名人気コミックスを「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴監督が実写映画化したサスペンス・エンタテインメントです。巨大戦艦“大和”の建造計画の是非を巡り、海軍内部が二分する中、数学によって計画を阻止しようと奔走する天才数学者の奮闘を描く。主演は「あゝ、荒野」「溺れるナイフ」の菅田将暉。共演に舘ひろし、浜辺美波、柄本佑、笑福亭鶴瓶、田中泯。



アルキメデス03


たわごと03
日本人にとっての「大和」とは…。
 アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」では、「ヤマト」とは「大いなる和」…、そしてこの「アルキメデスの大戦」では、田中泯演じる平山忠道中将は、「大和」は日本人にとって「依代」と表現した…。そうワタシ達日本人にとって「大和」とは、戦争が生み出した兵器ではなく、ある種特別な魂のような存在?なのかも知れません…。
 そして、この映画は、もちろんフィクションです!ただ実話ではないですが、実話をモデルにした部分があったり、実在モデルにしたキャストが登場したり、実話ミックスの物語となってる所が、なんとなくも不思議なリアリティーを醸し出してます。原作者の三田紀房さんは、もうすぐ開催される東京オリンピックの新国立競技場建設計画を巡り、1300億円だった予算が倍以上の3000億円超えになったことに疑問を抱くうちに、戦艦「大和」が思い浮かんだそうです。戦艦「大和」も当時の国家予算の4%にあたる建造費1億4503万円をかけて建造されたから、現代の新国立競技場と同じように賛成派と反対派で対立する物語が思い付いたのでしょうね?巨大戦艦を作ろうとする派と、空母と戦闘機中心の戦いにすべき派で、意見の対立…、漫画だからできる奇想天外なアイデア。そしてそれを見事に映像化した山崎貴監督も凄いです。このブログでは何度も書いたように、ワタシ的には、山崎貴監督を日本で最も「安心・安全」の映画監督と思っています。もちろん今回もグッドです。CGを必要最小限に抑え、人間ドラマをよりダイナミックに描く…。またまた、今回も職人技をを堪能させて頂きました。ワタシ的には凄く面白かったです!!



アルキメデス05



※カッパの勝手な採点は…、
♪ 戦艦大和が沈むとき…?
8点





2020.01.19 ラストレター
カッパのみなソン
Selection vol.1186



君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?
ラストレター 2019年 日本



ラストレター01

 岸辺野裕里は姉・未咲の葬儀の場で、彼女の娘・鮎美から未咲宛てに届いた同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。その後、姉の死を知らせるために向かった同窓会で、その姉と勘違いされてしまう裕里。戸惑う彼女は、そこで初恋の相手で今は小説家をしている乙坂鏡史郎と再会する。ひょんな成り行きから、姉のフリをしたまま鏡史郎と手紙のやり取りをするようになる裕里だったが…。(後は映画を観て下さいね)



ラストレター02

 「LoveLetter」「花とアリス」の岩井俊二監督が、故郷の宮城を舞台に豪華キャスト陣の共演で撮り上げたラブストーリーです。手紙の行き違いがから始まった2つの世代の恋愛模様とそれぞれの心の再生を、過去と現在を行き来しつつ、切なくも優しい筆致で綴ります。出演は松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜、神木隆之介、庵野秀明、中山美穂、豊川悦司。



ラストレター04


たわごと03
美しくも儚い…、残酷な初恋。
 ワタシの大好きな1995年の名作「Love letter」のアンサームービーとの位置づけでもあるこの岩井俊二監督の最新作、早速イオンシネマ徳島で鑑賞させて頂きました。これがアンサーなのかと言われたら、なんともワタシ的には、まだ整理できてない状態ではありますが、「大好きな岩井監督が帰ってきた!」まずはその一言です。内容は兎も角、岩井俊二らしい映画の空気感がたまらない…、光と影、そしてワタシがいつも掲げる「映画の匂い」。冒頭のお葬式の夏の雨…、そして眩しすぎる故郷の光、ぎこちなくも懐かしい同窓会、永遠のようで一瞬の夏休み、逆光の教室、そして初恋…。それらのシチュエーションには、心で感じる匂いがある。それをこれ程までに叙情的に表現できる岩井監督さすがです。



ラストレター05

 そして、そして、肝心の物語なのですが、これまた、中々手強い、「Love letter」以上に「行間」がある…と言うか、敢えて描いてない。もちろん、それは観る角度によって異なるかも知れませんが、この映画に答えは存在しない?? 初恋の呪縛から逃れ、新たな一步を踏み出す、小説家・乙坂鏡史郎、手紙のやり取りで成長する姉妹。初恋の人との再会で再起動する裕里…、ただ肝心の「未咲」の恋が描かれてない? それは、乙坂鏡史郎の小説「未咲」に真実が書かれているのか?? 謎である。そして、未咲が鮎美に残した最後の手紙、それぞれのラストレター、それぞれの「答え」…。是非とも劇場で見つけてくださいね!!



ラストレター03



※カッパの勝手な採点は…、
もう一度、観に行こう!と企んでます。
8点



カッパのみなソン
Selection vol.1185



いま、孤独が最強となる。
ザ・フォーリナー 復讐者
2017年 イギリス ・ 中国・ アメリカ



復讐01

 ロンドンで中華レストランを経営し、高校生の娘と2人だけの穏やかな日々を送るクァン。だがある日、その大切な愛娘が無差別テロの犠牲となってしまう。犯人への復讐を誓うクァンは、やがてテロを実行した北アイルランドの過激派組織と繋がりのある大物政治家リーアム・ヘネシーにたどり着く。犯人の名を明かすよう迫るが、リーアムは平然としらを切りとおす。失うもののないクァンは、そんなリーアムに対し、彼のオフィスに小型爆弾を仕掛け、自らの固い意志を過激な行動で示す。クァンはかつてアメリカの特殊部隊に所属していた一流の工作員だったのだ。クァンはこれまで封印してきた戦闘スキルを駆使し、実行犯を突き止めるべくリーアムを追い詰めるとともに、テロ組織へと迫っていくのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



復讐02

 ジャッキー・チェンが「007カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル監督とタッグを組んで贈るクライム・アクションです。スティーヴン・レザーの「チャイナマン」を原作に、過去を封印して生きてきた男が、最愛の娘がテロの犠牲となったことで冷酷な戦闘マシンとなり、犯人を追い詰めていく壮絶な復讐劇を描く。共演はピアース・ブロスナン。



復讐03


たわごと03
ジャッキー・チェン vs ジェームズ・ボンド
 アイルランド共和軍(IRA)を題材にした映画は結構秀作が多い気がします…、比較的メジャーな映画だと、「パトリオット・ゲーム」「デビル」「ハンガー」等々それなりに骨太で見応え有る作品が思い浮かびます。そして、我らのジャッキー・チェンが主演のこの「ザ・フォーリナー復讐者」もその1本だと言えます。監督は「007カジノロワイヤル」などの名匠マーティン・キャンベル、ジャッキー・チェンは製作と主演を兼ねています。そして敵対するは、急進派の活動家で、現在は北アイルランドの副首相リーアムを演じるのは、5代目007のピアーズ・プロスナン(アイルランド出身)。二大スターの初顔合わせです!
 ロンドン片隅でレストランを経営しているクワン(ジャッキー・チェン)は、ある日娘を送って行った時に爆弾テロに巻き込まれ、娘は目の前で亡くなってしまいます、そして北アイルランドの過激派が犯行声明を…、クワンは自ら復讐しようと決め、手がかりを求めて警視庁を訪ねるが話にならず、彼は元急進派の活動家で、現在は北アイルランドの副首相リーアム(ピアーズ・プロスナン)に目をつけ、真相を探って行きます。クワン、リーアム、過激派の三つ巴の戦いが…。という物語なのですが、なんともジャッキー・チェンが切なくて強い。さすがはジャッキー!衰えぬアクション。そしてそれに相反しての背中で演じる哀愁。演技という視点からも新境地を見せる世界が認める映画人としての真骨頂を存分に魅せてくれます。



復讐04


※カッパの勝手な採点は…、
映画で、学べる世界情勢?
七点半