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2020.03.29 宮本から君へ
カッパのみなソン
Selection vol.1194



負けてたまるか
宮本から君へ 2019年日本



宮本01

 文具メーカーで働く宮本浩は、営業マンなのに営業スマイルもお世辞も苦手。それなのに正義感は人一倍強く、愚直で不器用すぎる男。何かと失敗を重ねながらも、先輩や上司に支えられ、少しずつ営業マンとして成長していく宮本。そんなある日、飲み会の席で会社の先輩・神保の仕事仲間の女性・中野靖子と出会い、心惹かれる。やがて靖子の家に押しかけてきた遊び人の元恋人・風間裕二の前で“この女は俺が守る”と宣言し、ついに靖子と相思相愛の仲となる宮本だったが…。(後は映画を観て下さいね)



宮本02

 不器用ながらも情熱だけは誰にも負けない熱血営業マン・宮本浩の暑苦しくも壮絶な生きざまを描いた新井英樹の傑作コミックスをTVドラマ化に続いて映画化。愛する女性を守るためにがむしゃらに突き進む主人公の姿を圧倒的な熱量で描き出す。主演は引き続き池松壮亮。共演に蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル。監督はTV版も手がけた「ディストラクション・ベイビーズ」の真利子哲也。



宮本03


たわごと03
過激すぎる…、青春群像。
 凄いです、池松壮亮くんと蒼井優さん…。何というか、熱い、熱い、熱すぎる熱演。池松壮亮くんは兎も角、優さんファンのワタシとしては、ここまでやる蒼井優ちゃんは、正直見たくなかった。(個人的オッサンの感想です) ただ、映画としてはかなり良質、原作が漫画なのは一目瞭然だけれど、それはそれで、それなりのリアリティが存在し、個性派揃いのキャラクター達も生き生きと描かれています。一言で言うと「不器用な男女の恋愛物語」なのですが、今どきのアイスクリームの様なキラキラ恋愛映画とは全く異なる、痛烈な「痛み」と激しすぎる「青春」が、リアルに表現されています。ただ、それでいて何となくユーモラスでもあり、痛々しさの中にもホッとする?シーンも多々あります。有言実行を貫こうとすも、決して格好良くない、主人公の宮本君を是非ともご覧下さい!



宮本04



※カッパの勝手な採点は…、
男には、勝たねばならないケンカがある!
七点半



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2020.03.20 新聞記者
カッパのみなソン
Selection vol.1193



内閣官房 vs 女性記者…
新聞記者 2019年日本



新聞01

 日本人の父と韓国人の母のもとアメリカで育った東都新聞社会部の若手記者・吉岡エリカは、記者会見でただ一人鋭い質問を繰り返し、官邸への遠慮が蔓延する記者クラブの中で厄介者扱いされるばかりか、社内でも異端視されていた。そんなある日、社会部に大学新設計画に関する極秘情報が記された匿名FAXが届き、吉岡は上司の陣野から調査を任される。やがて内閣府の神崎という人物が浮上してくるが、その矢先、当の神崎が自殺してしまう。神崎の死に疑問を抱いた吉岡は、やがて同じようにかつての上司であった神崎の死に疑問を持つ内閣情報調査室(内調)の若手エリート、杉原拓海と巡り会うのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



新聞02

 “権力の監視役”としてのマスメディアの力が急速に弱まっている現代の日本で孤軍奮闘する現役新聞記者による同名ベストセラーを原案に、官邸とメディアの深い闇をリアルかつ赤裸々な筆致で描き出した衝撃の社会派ポリティカル・サスペンス。主演は「サニー 永遠の仲間たち」「怪しい彼女」のシム・ウンギョンと「不能犯」「孤狼の血」の松坂桃李。共演に本田翼、北村有起哉、田中哲司。監督は「デイアンドナイト」「青の帰り道」の藤井道人。



新聞04


たわごと03
日本映画からの挑戦状…。
 第43回日本アカデミー賞にて、最優秀作品賞・最優秀主演男優賞・最優秀女優賞を受賞…。日本アカデミー賞の主な賞を総ナメに下この東京新聞の望月衣塑子記者による書籍が原案の問題作、遅ればせながら観させて頂きました。菅官房長官の会見での質問が賛否を読んだ望月記者…、フィクションの限界を超え、「日本の闇」を“告発”する賛否両論エンタメ作…。果たしてこれは“映画”なのか?それとも現実なのか?そして、これ程までに刺激的で挑戦的な映画が、昨今の邦画に存在しただろうか?「!」と「?」が交差する感想なのですが、ワタシ的感想は「とんでもない作品が現れた」なのです。もちろん映画です、先にも書きましたが、フィクションです。その「映画的(の)挑戦状」に貴方はどう感じますか、ぜひご鑑賞下さい。



新聞03


※カッパの勝手な採点は…、
ラストシーンで松坂桃李の言葉とは…?
七点半



カッパのみなソン
Selection vol.1192



あなたのせいで、残りの人生楽しくなるなんて。
最高の人生の見つけ方 
2019年日本



人生01

 大学卒業後すぐに結婚し、以来ずっと家庭に尽くしてきた専業主婦の幸枝と、一代で巨大ホテルチェーンを築き上げた剛腕女社長のマ子。まるで世界の違う人生を歩んできた2人は、ひょんなことから病院で同室に。しかも2人とも末期ガンで余命宣告を受けたことを知り意気投合。そんな中、病院で出会った12歳の少女が書いた“死ぬまでにやりたいことリスト”を偶然手にした幸枝。これまで家族のために自分を押し殺して生きてきた彼女は、このリストを実行してみたいとマ子に打ち明ける。マ子は呆れながらも興味を示し、さっそく2人はマ子の優秀な秘書・高田を従え、リストを実現するための無謀な大冒険へと旅立つのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



人生02

 ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの共演で2007年に製作されたハリウッド映画「最高の人生の見つけ方」を、主演に吉永小百合と天海祐希を迎え、日本を舞台にリメイクした感動コメディ・ドラマ。偶然同じ病室になり、ともに末期ガンを宣告された平凡で真面目な専業主婦と仕事一筋のワンマン女社長が、ひょんなことから病院で出会った少女の“死ぬまでにやりたいことリスト”を2人で実行していく冒険の行方をハートウォーミングに綴る。共演はムロツヨシ、満島ひかり、前川清。監督は「のぼうの城」「眉山」の犬童一心。



人生04


たわごと03
吉永小百合の新境地。
 映画女優・吉永小百合75歳…、「美しすぎる…」、誰もが口にするその一言。まさにその美しさは国宝級。そしてサユリストや映画ファンだけでなく、映画人からも愛される国民的女優。日本アカデミー賞の授賞式でも助演の天海祐希さんは、自分の事よりも、吉永さんと共演できた事の感動と感謝を口にする。そう吉永小百合主演というだけで、それはもう、私(吉永小百合)の映画なのです。そして、今回のこの作品も、もちろん「私映画」。ただ今回は、オリジナルも素晴らしく、ある意味これをリメイクすると言う企画でかなりのアドバンテージとなっている。そして監督は、わが町徳島の阿波おどりを見事に映像化してくれた、「眉山-びざん-」(自分リンクでスミマセン) の犬童一心監督。さすがは犬童監督「私映画」の中にもしっかりとしたメッセージを秘めている、昨今の吉永作品の中では、ワタシ的には、結構良い感じの出来映えだと思います。いずれにしても、もちろん吉永さんと天海さんの魅力は満載です、世界を駆け巡り、なんとスカイダイビングまでも…、彼女たちの新境地を是非ともご覧下さいね!



人生03


※カッパの勝手な採点は…、
メイキング映像を観てみたい…。
カッパ採点7点



カッパのみなソン
Selection vol.1191



復讐が〈起動〉する…。
アップグレード 2019年アメリカ



アップ01

 近未来。愛する妻アシャと幸せな日々を送っていたグレイ・トレイスは、ある日突然、謎の組織に襲われ、妻を殺され自身も全身麻痺の重傷を負ってしまう。犯人への怒りを募らせながらも何もできずに失意に暮れるグレイのもとに、巨大企業の天才発明家がやって来て、彼が開発中の最新AIチップ“ステム”を使えば、再び体を動かせるようになると提案する。グレイはこの提案を受け入れ、ステムを体内に埋め込む極秘手術を実行する。こうして再び体の自由を取り戻したグレイは、脳内で対話することもできるステムの力を借りて、憎き犯人の行方を捜し始めるのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



アップ02

 「ソウ」シリーズの脚本などを手がけ、「インシディアス序章」で監督デビューを飾ったリー・ワネルの監督第2弾となるSFリベンジアクションです。近未来を舞台に、最愛の妻を殺され自身も全身麻痺となってしまった男が、開発段階の最新AIチップを体に埋め込むことで驚異的な身体能力を手に入れ、壮絶な復讐に立ち上がるさまを描く。主演はローガン・マーシャル=グリーン、共演にベッティ・ガブリエル、ハリソン・ギルバートソン。



アップ03


たわごと03
ええもん見つけた!
 行きつけの近所のTSUTAYA…、新型コロナの影響か普段よりも貸出中の作品が多い?皮肉にもレンタルビデオ屋さんには追い風なんだと思いながら、手にしたのがこの作品…、実は「掘り出し物」でした。お世辞にも大作・ヒット作とは言えない、近未来がテーマのSFなのですが、アイデアが斬新で素晴らしい!
 妻を正体不明の組織に襲われ殺された主人公グレイ、命は助かるものの全身が麻痺してしまう。ある企業の科学者オーナーから、人工知能チップSTEM(ステム)を肉体に埋め込む手術を受けると、回復するどころか驚異的な身体能力を持ってしまう、アナログ男の奇想天外の復讐劇。もう一人の人格「人工知能チップSTEM」との会話は、少し前に映画化された漫画「寄生獣」と少しよく似ているけれども、こちらの方が超リアル、勿論いつか訪れる近未来のお話なのですが、あり得ない出来事ではない、と言うか今でも可笑しくない現実。物語が進む程にグイグイと引き込まれていくこの感覚、良い映画に出逢えた幸せ…、コロナ騒動の真っ只中、偶然にも手にしたこの作品、ほんまに(本当に)、ええ(良い)もん見つけました。



アップ04


※カッパの勝手な採点は…、
未来は、もう始まっている…。
七点半



2020.02.24 惡の華
カッパのみなソン
Selection vol.1190



僕は変態なんかじゃ…ない。
惡の華 2019年日本



悪の華01

 周りを山に囲まれ閉塞感漂う地方都市に暮らす中学2年の春日高男。ボードレールの詩集『惡の華』を愛読し、誰とも理解し合えない孤独な毎日を送っていた。そんなある日、ふとした出来心から、憧れのクラスのマドンナ・佐伯奈々子の体操着を盗んでしまう。しかしその現場をクラスの問題児・仲村佐和に見られてしまう。そして秘密にする代わりに、彼女の命令に従うよう強要され、その変態的な要求に次第に精神的に追い詰められていく春日だったが…。(後は映画を観て下さいね)



悪の華02

 思春期特有の心の闇をセンセーショナルながらもリアルな痛みとともに鮮烈に描き大ヒットした押見修造の傑作コミックスを「片腕マシンガール」「電人ザボーガー」の井口昇監督が実写映画化した青春暗黒エンタテインメントです。鬱屈した感情を抱え悶々とした日々を送る少年が、出来心で犯した変態行為を、心に深い闇を抱えた女子に見とがめられ、さらなる変態行為を強要されていく危険な共犯関係の中で、図らずも奇妙な絆が芽生えていく暴走の行方を描く。主演は「今日から俺は!!」の伊藤健太郎と「チワワちゃん」の玉城ティナ。共演に秋田汐梨、飯豊まりえ。



悪の華03


たわごと03
激しすぎる、青春の憤り…。
 結構ハマった、テレビドラマ「今日から俺は!!」の伊藤健太郎くんが主演というだけで、観たこの作品…。まぁ、最近よくある漫画原作の青春キラキラ映画と思いや、えっ、これ、凄いですよね?? (中学2年生で何故かボードレール「惡の華」を愛する一風真面目な春日高男。彼がが憧れる、クラスのマドンナ佐伯奈々子、そしてクラスで孤立している仲村佐和。ある日の午後、春日が佐伯さんの体操着を盗んだことから…)は始まりに過ぎず、激しすぎる青春ドラマ?が繰り広げられる。「クソムシ」「変態」「クズ」などの罵声が飛び交い、表現も超過激で際どい…、お子様、ご家族鑑賞は、きっとNGの方が無難。ただ、ワタシ的には決してキライでは無く、むしろ共感できなくもない。映画としても作者の想い…、と言うか憤りがビシビシと伝わってくる。なんなんだろうこの感覚、そうかつての「ATG」作品を彷彿する空気感がなんとも刺激的。決して褒められる彼や彼女たちではないのですが、あの思春期の頃の、何となくムズムズする苛立ちは、誰もが心の中に抱え立てた「惡の華」なのかも知れませんね?



悪の華04


※カッパの勝手な採点は…、
何故か、記憶に残る一本です。
七点半



カッパのみなソン
Selection vol.1189



タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 
2019年アメリカ



ハリウッド01

 落ち目のTV俳優リック・ダルトンは、なかなか復活の道が拓けず焦りと不安を募らせる。情緒不安定ぎみな彼を慰めるのは、リックのスタントマンとして公私にわたって長年支えてきた相棒のクリフ・ブース。固い絆でショウビジネスの世界を生き抜いてきた2人だったが、このままでは高級住宅地にあるリックの豪邸も手放さなければならなくなる。そんな彼の家の隣には、時代の寵児となった映画監督のロマン・ポランスキーとその妻で新進女優のシャロン・テートが越してきて、彼らとの勢いの違いを痛感するリック。一方クリフはヒッチハイクをしていたヒッピーの少女を拾い、彼女をヒッピーのコミューンとなっていた牧場まで送り届けてあげるのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ハリウッド02

 「パルプ・フィクション」「イングロリアス・バスターズ」のクエンティン・タランティーノ監督が、1969年のハリウッドを舞台に、古き良き60年代アメリカへの愛を描いたノスタルジックエンタテインメントです。有名な“シャロン・テート殺人事件”を背景に、復活を期す落ち目のTV俳優と、長年彼のスタントマンを務めてきた男の友情の行方を、虚実を織り交ぜつつ郷愁あふれる筆致で描き出します。主演はこれが初共演となるレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット。ヒロインのシャロン・テート役にマーゴット・ロビー。



ハリウッド03


たわごと03
むかしむかし、ハリウッドに…!?
 今も時めく二大スター、レオナルド・ディカプリオとブラッド・ピット…、意外にもこれが初共演なんですね。それも映画の申し子クエンティン・タランティーノ監督の超意欲作で共演とは、なんともステキです。そして二人とも、それぁ、もちろん快心の演技。ご存じの通り、ブラッド・ピットは、第92回アカデミー賞助演男優賞を受賞。ただ、主演のディカプリオだって主演男優賞を貰っても可笑しくない程の熱演、ワタシ的には彼の主演作の中で今までで一番好きです。
 リック・ダルトン(ディカプリオ)は落ち目のTV俳優。イタリアのマカロニウエスタンに出稼ぎに行こうか迷っている…、落ち目とは言え、リックは豪邸で贅沢三昧。一方リックのスタントマンのクリフ(ブラッド・ピット)は、リックの精神的親友ではあるが、トレーラー暮らし…。この格差が物語のキーワードかなぁ?もちろん人気絶頂のスター・シャロン・テートを妻に持つロマン・ポランスキー監督もヒッピーの教祖でカルト教団の教祖チャールズ・マンソンも見事に絡んできます。そしてラストはタランティーノらしく、バイオレンスとサプライズ…。いろんなエピソードがてんこ盛の161分にもおよぶ超大作です、気合いを入れてご鑑賞くださいね!



ハリウッド04


※カッパの勝手な採点は…、
実は初期編集版は、4時間20分だった??
8点



2020.02.05 ジョーカー
カッパのみなソン
Selection vol.1188



本当の悪は笑顔の中にある
ジョーカー  2019年アメリカ



ジョーカー01

 大都会の片隅で、体の弱い母と2人でつつましく暮らしている心優しいアーサー・フレック。コメディアンとしての成功を夢みながら、ピエロのメイクで大道芸人をして日銭を稼ぐ彼だったが、行政の支援を打ち切られたり、メンタルの病が原因でたびたびトラブルを招いてしまうなど、どん底の生活から抜け出せずに辛い日々を送っていた。そんな中、同じアパートに住むシングルマザーのソフィーに心惹かれていくアーサーだったが…。(後は映画を観て下さいね)



ジョーカー02

 いわゆるアメコミが原作の作品としては史上初となるヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞の快挙を果たした衝撃のサスペンス・ドラマ。DCコミックスのバットマンに登場する最強最悪の悪役“ジョーカー”に焦点を当て、コメディアンを夢みる心優しい男アーサー・フレックが、いかにして社会から切り捨てられ、狂気の怪物へと変貌を遂げていったのか、その哀しくも恐ろしい心の軌跡を重厚な筆致で描き出します。主演は本作の演技が各方面から絶賛された「ザ・マスター」「her世界でひとつの彼女」のホアキン・フェニックス。共演にロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ。監督は「ハングオーバー」シリーズのトッド・フィリップス。



ジョーカー03


たわごと03
祝!キネ旬外国映画ベスト・テン第1位
 「ジャスティスリーグ」や「スーサイドスクワッド」などで、マーベルに負けじと“ユニバース”化を展開してきたワーナー…。だけども、何故か、そこから逸脱したと思いや、あれまぁ〜、とんでもない傑作が生まれちゃいましたね。ジャック・ニコルソン演じるジョーカーとバットマンの死闘を胸ときめかせて観たのが平成元年。そうあれから30年。悪のカリスマ「ジョーカー」の本質を知る事となりました。主演は、超個性派のホアキン・フェニックス。そして脇にはロバート・デ・ニーロ…、それぁ、もうこれを想像するしかないでしょ。名作「タクシードライバー」と「キング・オブ・コメディ」。そんな名作と重なり合うも、それでいて独創的かつ刺激的なのです。
 ホアキン演じるの「ジョーカー」は社会の片隅でひっそりとぼろアパートで老いた母と暮らす冴えない中年。特殊能力どころか、金も地位も無し、仕事はピエロの扮装をした大道芸人。そして皮肉にも笑い出したら止まらない持病を患っている…。そんな彼が、あの出来事を境に悪の道へと開花していきます。悪と正義…、ってなんなんだ?? もしバットマンが正義なら、彼はもちろん悪。ただ、視線を変えることで、悪と正義の定義が不確かなものとなってしまう。絶対正義も絶対悪もこの世には存在しない。そんな不確かな善悪をこの映画は見事に表現しています。



ジョーカー04

 24キロも減量したホアキン・フェニックスが階段を軽々とステップを踏みながら踊るシーンも素晴らしい、そして懐かしい60年代のBGMも心地良い…、ただ物語は悲しい、悲しすぎます。DCコミックス映画で史上初めてベネチア国際映画祭・金獅子賞受賞という快挙を成し遂げ、我が愛読書の「キネマ旬報」でも、見事「外国映画ベスト・テン第1位」に輝いた秀作です。是非ともご覧下さい!



ジョーカー05


※カッパの勝手な採点は…、
日本のダークヒーロー達に、喝だッ!

8点半



カッパのみなソン
Selection vol.1187



これは、数学で戦争を止めようとした男の物語。
アルキメデスの大戦 2019年日本



アルキメデス01

 1933年。欧米との対立を深め、軍拡路線を進める日本では、海軍省が秘密裏に世界最大の戦艦の建造を計画していた。その一方で、海軍少将・山本五十六をはじめとする“今後の海戦は航空機が主流になる”と主張する“航空主兵主義”派も存在し、“大艦巨砲主義”の推進派と激しく対立していた。そこで、山本は独自に建造費を見積もり、計画の欺瞞を指摘して建造を阻止しようと目論む。そのために彼が目を付けたのが、100年に一人の天才と言われる元帝国大学の数学者・櫂直。しかしこの男、筋金入りの軍隊嫌いで、おまけに超のつく変わり者だったのだが…。(後は映画を観て下さいね)



アルキメデス02

 三田紀房の同名人気コミックスを「ALWAYS三丁目の夕日」「永遠の0」の山崎貴監督が実写映画化したサスペンス・エンタテインメントです。巨大戦艦“大和”の建造計画の是非を巡り、海軍内部が二分する中、数学によって計画を阻止しようと奔走する天才数学者の奮闘を描く。主演は「あゝ、荒野」「溺れるナイフ」の菅田将暉。共演に舘ひろし、浜辺美波、柄本佑、笑福亭鶴瓶、田中泯。



アルキメデス03


たわごと03
日本人にとっての「大和」とは…。
 アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」では、「ヤマト」とは「大いなる和」…、そしてこの「アルキメデスの大戦」では、田中泯演じる平山忠道中将は、「大和」は日本人にとって「依代」と表現した…。そうワタシ達日本人にとって「大和」とは、戦争が生み出した兵器ではなく、ある種特別な魂のような存在?なのかも知れません…。
 そして、この映画は、もちろんフィクションです!ただ実話ではないですが、実話をモデルにした部分があったり、実在モデルにしたキャストが登場したり、実話ミックスの物語となってる所が、なんとなくも不思議なリアリティーを醸し出してます。原作者の三田紀房さんは、もうすぐ開催される東京オリンピックの新国立競技場建設計画を巡り、1300億円だった予算が倍以上の3000億円超えになったことに疑問を抱くうちに、戦艦「大和」が思い浮かんだそうです。戦艦「大和」も当時の国家予算の4%にあたる建造費1億4503万円をかけて建造されたから、現代の新国立競技場と同じように賛成派と反対派で対立する物語が思い付いたのでしょうね?巨大戦艦を作ろうとする派と、空母と戦闘機中心の戦いにすべき派で、意見の対立…、漫画だからできる奇想天外なアイデア。そしてそれを見事に映像化した山崎貴監督も凄いです。このブログでは何度も書いたように、ワタシ的には、山崎貴監督を日本で最も「安心・安全」の映画監督と思っています。もちろん今回もグッドです。CGを必要最小限に抑え、人間ドラマをよりダイナミックに描く…。またまた、今回も職人技をを堪能させて頂きました。ワタシ的には凄く面白かったです!!



アルキメデス05



※カッパの勝手な採点は…、
♪ 戦艦大和が沈むとき…?
8点





2020.01.19 ラストレター
カッパのみなソン
Selection vol.1186



君にまだずっと恋してるって言ったら信じますか?
ラストレター 2019年 日本



ラストレター01

 岸辺野裕里は姉・未咲の葬儀の場で、彼女の娘・鮎美から未咲宛てに届いた同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。その後、姉の死を知らせるために向かった同窓会で、その姉と勘違いされてしまう裕里。戸惑う彼女は、そこで初恋の相手で今は小説家をしている乙坂鏡史郎と再会する。ひょんな成り行きから、姉のフリをしたまま鏡史郎と手紙のやり取りをするようになる裕里だったが…。(後は映画を観て下さいね)



ラストレター02

 「LoveLetter」「花とアリス」の岩井俊二監督が、故郷の宮城を舞台に豪華キャスト陣の共演で撮り上げたラブストーリーです。手紙の行き違いがから始まった2つの世代の恋愛模様とそれぞれの心の再生を、過去と現在を行き来しつつ、切なくも優しい筆致で綴ります。出演は松たか子、福山雅治、広瀬すず、森七菜、神木隆之介、庵野秀明、中山美穂、豊川悦司。



ラストレター04


たわごと03
美しくも儚い…、残酷な初恋。
 ワタシの大好きな1995年の名作「Love letter」のアンサームービーとの位置づけでもあるこの岩井俊二監督の最新作、早速イオンシネマ徳島で鑑賞させて頂きました。これがアンサーなのかと言われたら、なんともワタシ的には、まだ整理できてない状態ではありますが、「大好きな岩井監督が帰ってきた!」まずはその一言です。内容は兎も角、岩井俊二らしい映画の空気感がたまらない…、光と影、そしてワタシがいつも掲げる「映画の匂い」。冒頭のお葬式の夏の雨…、そして眩しすぎる故郷の光、ぎこちなくも懐かしい同窓会、永遠のようで一瞬の夏休み、逆光の教室、そして初恋…。それらのシチュエーションには、心で感じる匂いがある。それをこれ程までに叙情的に表現できる岩井監督さすがです。



ラストレター05

 そして、そして、肝心の物語なのですが、これまた、中々手強い、「Love letter」以上に「行間」がある…と言うか、敢えて描いてない。もちろん、それは観る角度によって異なるかも知れませんが、この映画に答えは存在しない?? 初恋の呪縛から逃れ、新たな一步を踏み出す、小説家・乙坂鏡史郎、手紙のやり取りで成長する姉妹。初恋の人との再会で再起動する裕里…、ただ肝心の「未咲」の恋が描かれてない? それは、乙坂鏡史郎の小説「未咲」に真実が書かれているのか?? 謎である。そして、未咲が鮎美に残した最後の手紙、それぞれのラストレター、それぞれの「答え」…。是非とも劇場で見つけてくださいね!!



ラストレター03



※カッパの勝手な採点は…、
もう一度、観に行こう!と企んでます。
8点



カッパのみなソン
Selection vol.1185



いま、孤独が最強となる。
ザ・フォーリナー 復讐者
2017年 イギリス ・ 中国・ アメリカ



復讐01

 ロンドンで中華レストランを経営し、高校生の娘と2人だけの穏やかな日々を送るクァン。だがある日、その大切な愛娘が無差別テロの犠牲となってしまう。犯人への復讐を誓うクァンは、やがてテロを実行した北アイルランドの過激派組織と繋がりのある大物政治家リーアム・ヘネシーにたどり着く。犯人の名を明かすよう迫るが、リーアムは平然としらを切りとおす。失うもののないクァンは、そんなリーアムに対し、彼のオフィスに小型爆弾を仕掛け、自らの固い意志を過激な行動で示す。クァンはかつてアメリカの特殊部隊に所属していた一流の工作員だったのだ。クァンはこれまで封印してきた戦闘スキルを駆使し、実行犯を突き止めるべくリーアムを追い詰めるとともに、テロ組織へと迫っていくのだったが…。(後は映画を観て下さいね)



復讐02

 ジャッキー・チェンが「007カジノ・ロワイヤル」のマーティン・キャンベル監督とタッグを組んで贈るクライム・アクションです。スティーヴン・レザーの「チャイナマン」を原作に、過去を封印して生きてきた男が、最愛の娘がテロの犠牲となったことで冷酷な戦闘マシンとなり、犯人を追い詰めていく壮絶な復讐劇を描く。共演はピアース・ブロスナン。



復讐03


たわごと03
ジャッキー・チェン vs ジェームズ・ボンド
 アイルランド共和軍(IRA)を題材にした映画は結構秀作が多い気がします…、比較的メジャーな映画だと、「パトリオット・ゲーム」「デビル」「ハンガー」等々それなりに骨太で見応え有る作品が思い浮かびます。そして、我らのジャッキー・チェンが主演のこの「ザ・フォーリナー復讐者」もその1本だと言えます。監督は「007カジノロワイヤル」などの名匠マーティン・キャンベル、ジャッキー・チェンは製作と主演を兼ねています。そして敵対するは、急進派の活動家で、現在は北アイルランドの副首相リーアムを演じるのは、5代目007のピアーズ・プロスナン(アイルランド出身)。二大スターの初顔合わせです!
 ロンドン片隅でレストランを経営しているクワン(ジャッキー・チェン)は、ある日娘を送って行った時に爆弾テロに巻き込まれ、娘は目の前で亡くなってしまいます、そして北アイルランドの過激派が犯行声明を…、クワンは自ら復讐しようと決め、手がかりを求めて警視庁を訪ねるが話にならず、彼は元急進派の活動家で、現在は北アイルランドの副首相リーアム(ピアーズ・プロスナン)に目をつけ、真相を探って行きます。クワン、リーアム、過激派の三つ巴の戦いが…。という物語なのですが、なんともジャッキー・チェンが切なくて強い。さすがはジャッキー!衰えぬアクション。そしてそれに相反しての背中で演じる哀愁。演技という視点からも新境地を見せる世界が認める映画人としての真骨頂を存分に魅せてくれます。



復讐04


※カッパの勝手な採点は…、
映画で、学べる世界情勢?
七点半